新進気鋭の女性映画監督・甲斐さやかによるオリジナル脚本。 誘拐事件の数十年後を舞台に、曖昧な記憶と人間の存在意義について描いた初長編監督作『赤い雪 Red Snow』は、日本を代表する実力派俳優らが自ら出演を望み、世界的評価を集めた。
そんな甲斐さやかの初舞台作品となる本作は、『信仰心』そして『神の存在』を問いかける。ときにホ ラーともとれるほど、鋭く人間模様を描きだす映画監督としての感性を、演劇でしか味わえない生の空間に 掛け合わすことで、よりテーマが研ぎ澄まされ見る者の感覚に鋭く刺さるような新しい演劇体験をもたらし、観劇後の心に深い余韻を残す臨場感のある世界観を生み出していく。
そして本作の主演は、お笑い芸人として確たる地位を築き近年では映画監督・俳優として唯一無二の存在感 を放つ板尾創路と、2012年ミュージカル『薄桜鬼』で舞台初出演にして初主演を務め、以後、舞台・ドラ マ・映画など多くの作品での活躍が目覚ましい松田凌。板尾は教誨のため刑務所を 訪れる山川神父役を、松田は自らのことを“神”と呼ぶ死刑囚・町月を演じる。 さらに、敬虔な信者で娘が行方不明になったことを山川神父に相談する母親・真知子役には、NHK連続テレビ小説をはじめ数多くのドラマ・映画・CM等で活躍を続ける石田ひかり。
教誨のため刑務所を訪れた山川神父が、新たに向き合うことになった死刑囚・町月。その死刑囚は自らのことを“神”と呼んだ-。 それ以来、山川のまわりで不可解な出来事が起きていく。町月の存在は、果たして“神” か、“ぺテン師”か、それとも“怪物”か... 強いメッセージ性と鋭い演出で、観客の心を徹底的に揺さぶる問題作。
板尾創路
神父。教誨のボランティアで週2−3回刑務所を訪れている。懺悔室での町月との対話を通じて、当初は懐疑的であったものの、 その力を目の当たりにし、徐々に引き込まれ、葛藤していく。
【コメント】
そう言えば、舞台やってないな、と思っていた時にオファーを頂き嬉しかったです。なんだかんだ言って舞台は大変ですが、一番やり甲斐と達成感あり役者として成長する事ができます。観に来て良かったと思っていただけるよう全力で頑張ります。
【プロフィール】
大阪府出身。NSC(吉本興業のタレント養成所)の4期生。相方のほんこんとお笑いコンビ=130Rを組み、お笑い芸人としてテレビ番組で活躍する一方、映画やドラマ、舞台に多数出演し、役者としても異色の存在感を放つ。2010年には『板尾創路の脱獄王』で長編映画監督デビューを果たし、『月光ノ仮面』、『火花』を監督。『板尾日記』をはじめとする著作も多数。冠コント番組『板尾イズム2』をLINE NEWS VISIONにて配信中。近年の主な出演作に【ドラマ】『監察医 朝顔』(フジテレビ/19-21)『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』(日本テレビ/22)『赤いナースコール』(テレビ東京/22)、【映画】『決算!忠臣蔵』(19)『ファーストラヴ』(21)『向田理髪店』(22)など。
松田 凌
神死刑囚。奇妙でマイペース。自らを『神』と名乗り、掴みどころのない人間。 刑務所内にいるにも関わらず、外の世界で起きる出来事を次々と予言していく。
【コメント】
今作のお話を頂いた時「何か」に吸い込まれるように、やりたいと思ったのを覚えています。
それから出演を懇願しまして、誠に有り難く実現しました。板の上でいかなるものを体現していけるのか、全く想像がつきません。この身と心をもって尽力し、皆様と共に探していきたいと思います。その「何か」を。
【プロフィール】
兵庫県出身。2012年『ミュージカル“薄桜鬼”』で初主演を務める。13年特撮ドラマ『仮面ライダー鎧武/ガイム』の城乃内秀保/仮面ライダーグリドン役でレギュラー出演を果たすなど、数多くのドラマ、舞台にも出演。近年の主な出演作に【ドラマ】『メサイア-影青ノ章-』(TOKYO MX2/15)『男水!』(NTV/17)、【映画】『HiGH & LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY・MOVIE 3 / FINAL MISSION』『ONLY SILVER FISH』(18) ムビ×ステ『漆黒天 終の語り』(22)、【舞台】日本テレビ開局65年記念舞台『魔界転生』(18)『+GOLD FISH』(19)『東京リベンジャーズ-血のハロウィン編-』音楽劇『まほろばかなた』(22)など。23年1月には『 「進撃の巨人」-the Musical-』の出演が控える。
石田ひかり
敬虔な信者。教会に行方不明になった娘とともに通っており、山川神父に相談をする。
【コメント】
あるひとつの舞台を終えて間もなくこちらのお話をいただき、一瞬どうしようと思ったのですが、主演が大ファンの板尾さんだと聞いて、絶対にご一緒したいと思い決意しました。幼稚園の先生のような柔らかな印象の甲斐さんが書かれたとは思えない鋭さとスピード感のある戯曲は、読めば読むほど「これ面白いやつじゃん!!」と、早くも猛烈にやり甲斐感じています。少人数での芝居は緊張感があり楽しいです。皆様どうぞご期待ください。稽古頑張ります。
【プロフィール】
東京都出身。1986年に俳優デビュー。1992年連続テレビ小説『ひらり』ヒロインを演じ、1994年『飛龍伝'94-いつの日か白き翼にのって-』にて初舞台、以降数多くの映画・ドラマで主演を演じる。また、1993年『はるか、ノスタルジィ』にて第3回日本映画プロフェッショナル大賞主演女優賞受賞。近年の主な出演作に、【映画】『わたし達はおとな』(22) Amazon Original映画『HOMESTAY(ホームステイ)』(22)、【ドラマ】『きょうの猫村さん』(TX/20)『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(NTV/22)『ファイトソング』(TBS/22)、【舞台】『ウェンディ&ピーターパン』(21)『青空は後悔の証し』(22)などがある。2023年1月クール テレビ朝日系 木曜ドラマ『警視庁アウトサイダー』に出演。2023年夏には、asatte produce『ピエタ』が控えている。